関西支部は、1968年(昭和43年)に(社)日本設計工学会の前身である日本設計製図研究会が創立された2年後に関西の支部として発足いたしました。
関西地区の大学・短大・高専の研究者、企業の技術者および工業高校の教員、学生が集まり、設計工学、製図関連規格ならびに生産加工についての各種講演会、研究発表講演会、見学会などを定期的に開催し、会員相互の研修、情報交換、交流を行ってまいりました。
関西支部発足から現在に至るまで、コンピュータ関連技術が急速に進歩し、研究開発や設計・製造の現場においてコンピュータ援用システムが不可欠のものになりました。設計ソフトウエアの急激な進歩に伴い設計はCADによる製図、CAEによる解析によって行われるようになり、開発期間の短縮や限界設計が可能になってきました。近年の3次元CADでは構造解析などの数値シミュレーションソフトウエアを内蔵し、製図データから3次元の立体図を表示し、立体図がCAEのモデルとなって強度計算などの解析が可能になり、解析結果も視覚的に表示する非常に便利なものになっています。また、CADと連動して動く工作機械も出現し、設計製図から強度解析さらには加工までを行う非常に便利なツールになりつつあります。しかし、実力の無い技術者が便利なシステムで開発すると、設計の目標を見失ったり解析の条件設定を誤ったりと、多量に無駄な製品を作るきっかけにもなります。企画から生産に至る製品開発と設計のプロセスにおいて、従来以上に設計の本質を理解する技術者が必要になります。ブラックボックス化したシミュレーション結果を工学的な基礎知識と経験に基づいて的確に評価できる技術者の育成が、今後日本の技術をさらに発展させることにつながると考えます。関西支部ではこのような変化に対応すべく種々な行事を企画し、情報の提供を行って参ります。
新しい機械技術の調査、検討をとおしての設計技術の向上、創造性豊な若い学生、技術者の育成に役立つ企画などを行い、設計工学の発展に貢献し、また会員の皆様に満足いただける支部となることを願っています。
設計工学に関心をお持ちの方の積極的なご参加とご支援をお願いします。